2012年8月16日木曜日

支援医薬品配布事業~Preakvealherの巻~

さて、支援医薬品の配布は、タイ国境近くの軍人が多く住む貧しい地域Preakvealhearに行くことに決定!



行程650キロ。車で移動すること片道10時間の距離です。



ところが出発して1~2時間経ったころ2台目の車が見えません!



れれ?



と、そこへ携帯に連絡が・・・「車が故障した!」



20120727_102552 どうやら石に気がつかずに乗り上げたため、オイルパイプが破損して、オイル漏れを起こしてしまったらしい。



で、日本みたいに大事にはなりません。



その場でちゃちゃちゃ~っと修理。



といっても、結局2時間ほどかかりましたけどね。



その間に私は内職・・・



住民の人たちに配るべく、夜なべして作成した「お薬の飲み方カード」



20120727_102600 これを300家族分、チョキチョキと車の中でカット。



修理を待っている間に全部きり終えました。



そして、この日は一旦アンコールワットがあることで有名がシェムリアップに一泊します。



650キロは遠い・・・



でも、貧しくてろくに薬も変えないという状況にある地域とのことなので、そんな人たちの顔を思い描きながら頑張って走ります。



途中、遺跡で有名な石造りの橋へ到着。ちょっと寄り道してアンコール王朝の雰囲気を味わいました。



いよいよ翌日はタイ国境付近までいきます。



Img_20120727_160905small



そうそう、付け加えるのを忘れました。この橋はスピアン・コンポンクダイ(ガイドブックではプラップトゥフと表記されています)ですね。



いや~~古代人の知恵はどこの国でも素晴らしい~!

















2012年8月8日水曜日

支援医薬品配布プロジェクト~医薬品引きとりの巻~

20120725_133922 昨年、日本から多くの方々の支援を受けてカンボジアまでもってきた支援医薬品。



半分以上をシアヌーク病院に寄付したものの、結局、病院の医師が使えず沢山の医薬品が残ってしまいました。



日本の病院の場合、病院の薬剤師さんが勤務医にどの薬をどの薬の代わりに使えるのか、どういう疾患に対しでどの薬を使えるのかをきちんと説明できるし、医師と薬剤師がコミュニケーションを取れる状況にあるのですが、



そこが甘かった!!



シアヌーク病院はとても大きな病院で、日本からの支援もJICAなどから多く入ってきています。しかし、医薬品類のほとんどはアメリカからで、それらの医薬品以外の医薬品は使いにくいシステムになっているようです。



初めに医薬品倉庫の薬剤師医の先生に「どの品目を使うのか」と提示して、さらに確認を2,3度して、「使う」といったから送ったものの、結局受け取る側は《もらえるからもらっとこう》的な安易な発想だったようで、ちょっとがっかりです。



同じ薬剤師が倉庫の管理をしているからと安心していたのがまずかったです!!



同病院も様々な国の支援が様々に入り組んでいるがために、役所の縦割り行政みたいになっていて、お互いの組織間での連携はあんまりとれていなさそうです。



病院の薬剤部についてもアメリカの支援が入っていて、結局、そこでアメリカからの医薬品を使うようにシステムが回っているもんだから・・・他の物をあてがっても土台無理なわけで・・・。



日本から持ってくるときに結構苦労をして、いろんな方々に支援をいただいていたので、私としては怒り心頭!



それを理解してくれたのか、JHPAカンボジア支部のLee君、カンボジア語で担当薬剤師の先生に私の心情を伝えてくれていました。



トゥクトゥクの後ろが荷台になっているLambataで一台25ドル!現時点で8台分引き取りました。



でも、まだまだシアヌーク病院には薬が眠っているので、期限をチェックして6カ月前分はしかりと引きとって、こちらで運搬費をかけてでも、貧しくて日ごろ消毒薬なんかも手に入らない人たちに配って、ほんのひと時でも「綺麗で衛生的な生活」を過ごしてもらえたらと思います。



運搬費がかなりかさんできました。



一度に300家族分ほど運ぶので車2台分は必要です。



虫よけスプレー600本、消毒薬300本、目薬300個、ビタミン剤600個/このくらいもっていきます。



日帰りコースで運搬費用約300ドルかかります。



また、シアヌークビル近辺の貧しい村だと一泊コースで400ドル



もっと遠い地区が本当は一番貧しい地域なんですが、2泊コースで700ドル



このくらいかかります。



皆々様からのご支援、よろしくお願いいたします。











薬草プロジェクト~その3~

ウドンにある伝統薬を扱うクルクメールの方のお店!?にお邪魔



20120612_135649 サンプルを採取させてもらいました。





ここで気になるのが薬局方を制定すれば、その時点でこれらの集めた薬草は「薬」として扱うわけで・・・



現在、伝統薬を扱うクルクメールの方たちの教育は日本財団の支援で進んでいるものの・・・今後どのような形で上手く薬剤師とクルクメールの間の職能領域や資格制度当のバランスを取っていくのか・・・大きな課題です。





このような伝統薬はカンボジアに限らずインド、タイ、ブラジル、ベトナム様々な国で使われています。しかし、国によって薬事法の発達程度はさまざまで、各国ともそれぞれの問題を抱えています。



ただ、共通して言えるのは「裕福な人は西洋医学で西洋薬」「貧しい人は伝統薬」といったような風潮がそこかしこにあるということ。伝統薬そのものが安価で手軽に手に入る環境があるがために、そういう状況があるのではないでしょうか。



でも、本来は西洋薬も漢方薬も同じレベルで同等に扱われるべきで・・・。



薬剤師の私達としては、安易に臨床の知識がないままに伝統薬が使われることに、不安を感じてなりません。



クルクメールの人たちの多くは英語が全く通じません。



今回もカンボジア薬剤師会とCaTMOから通訳助っ人を頼みました。



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さて、薬草プロジェクトは1週間という短期間ながら着々と進み・・・





集めたサンプルの標本作りまでできました。









20120615_094943 京大の伊藤先生の指導で、標本作りを覚えてくれている、National Center of Traditional Medicine のDr.Sunna氏です。



エアコンのない暑い中、汗をかきかきやってくれました。







2012年8月6日月曜日

支援医薬品配布プロジェクト~第1段~

Img_2005small 先日、昨年末に日本からみなさんの支援をいただいてカンボジアに持ち込んだ医薬品。



こちらの病院や薬剤師会に預けたものの、結局配布できずに期限間近になってしまい、引きとることになりました。



それらを私達のNGOで輸送資金を出して貧しい村の人たちに配ることにしました。



第1段はシアヌークビルの近くにある村、Bang Tapromへ行きました。



まずは虫よけスプレーの使い方を説明



Img_2016small 村の人一人ずつ、合計300家族に直接手渡しました。



運送費も結構大変ですが、こうして直接説明して手渡せるっていいですね。



目薬とスプレーをお渡ししました。











Img_2023small ここへは、薬草プロジェクトを手伝ってくださった伊藤先生も行程の都合でご同行してくださいました。



ありがとうございます。





みんなで記念撮影!



安全に使ってくださいね。







薬草プロジェクト~その2~

さて、前回のブログアップからちょっと時間が経ってしまいました。



すみません。





で、続きの薬草プロジェクト報告です。



会議の後、街の薬草マーケットに出向いて市場調査。



Dsc_0007small



その結果、既に日本の薬局方に存在するのと同じ生薬がたくさん見つかったほか、カンボジア独特のものも見つかりました。



ただ、問題はこれらはすべて、「薬草を採取する業者さん」から購入しているということで、原植物が特定できていないということなんですね。



なので、相談した結果、翌日に薬草が多くあるといわれるウドンの方へ現地調査に行くことになりました。



そして現地調査。。。



ウドンは昔に都があった場所。



いまは観光地の一つとなっていますが、アンコールワットほど人はいません。



Img_1939small ウドンにある山のてっぺんのお寺からの眺めはグッドです。





しかし、はじめは薬草の現物がすぐあるのかと思いきや、ここいらで伝統薬を扱う人たちの教育をしているだけということが分かり、方向変更!





近くの伝統薬を扱う人クルクメールの方のところへ伺ってサンプルをもらうことにしました。



サンプルは乾燥させたものがほとんどで、今回はまず20種ほどをもらい、現地名と読み方の英語表記をして一つずつ袋に入れる作業で一日が終わりました。



こちらのサンプルもクルクメールの人たちが自身で採取しているものもあれば、「採取する仕事」をしている人から買っているものも多く、その時点で「本当に同じ植物を採取しているのか?」という疑問が徐々に出てきました。



後は、これらの乾燥サンプルの「原植物」を採取して、標本を作る作業をして、標本とサンプルが本当に同じものなのかを調査することろから本格開始できることになります。



まだまだ道のりは遠いです。