2010年12月19日日曜日

先進国への憧れ

カンボジアで講演したとき、参加者の大部分は薬学生でした。



やはり「国を創る」力は若者に託したいという気持ちからでしょうか、学生への教育の充実をとても重要視しているように思えました。



講演後、その学生からいくつか質問がありましたが、それら全てが、「奨学金はないのか」とか「日本の薬科大学に留学受け入れの制度は無いのか」というような内容でした。



私の発表を見て、日本の薬学への憧れが膨れ上がってしまったのかもしれません。



後で話を聞くと、日本だけでなくニュージーランド、オーストラリア、フランスへの憧れが強い傾向にありようです。





でも、私は思うんです。



今の彼らに日本の薬学教育を受けさせることは逆効果になるのではないかと。





言葉の問題も確かにありますが、それ以上に「違いがありすぎる」





日本の薬学教育はここ数年で大きく変わりました。それは、社会が薬剤師に求めることが増えてきたから。



4年制から6年制に変わり、実習期間も延びました。





医療制度がまったく違うんです。社会の医療のシステムや国民の意識が全く違うんです。



日本の薬学で学んでも、彼らがその知識をカンボジアで使える保証はまだありません。



それは、まだカンボジアの薬事事情をとりまく環境がまだまだ発展途上にあり、卒業して実務経験のない学生には、日本とカンボジアのギャップを目の当たりにするのは、余りにも酷な状況の様な気がします。



それに、奨学金制度なども薬学生に特化したものは確か、なかったように記憶しています。なので、もし留学できたとしてもそれはほんの数人で、カンボジアの国を変えていけるような力にするには果てしない時間がかかりそうです。



私たちのNGOはこの問題にも取り組むべきだと確信しました。[E:scissors]



カンボジアの学生を日本に連れて行くのが難しければ、私たちが薬学の教育者を現地に派遣すればいい。



私たちが実務者として教えられることは沢山ある。まずは私たちが出向いて、学生と向き合い、お互いの認識を高め、一緒にカンボジアに居ながらにしてレベルアップできる道を探せばいい。





NGOを立ち上げた時の資金にもよりますが、NGOのメンバーはまさに薬剤師の教育者としては申し分ない面々。まずは私たちが行動することから始めよう![E:flair]



みんなと写真を撮った時、私はどうにかして彼らを自国を変えるだけの力を備えた薬剤師に育てたいと、心から思いました。



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皆さん、賛同していただけると嬉しいのですけど。[E:confident]





いま、いろんなことを学びたがっている薬学生に、カンボジアに





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